2010年6月4日金曜日

法律事務所で弁護士刺殺、トラブル後絶たず、同僚は怒りあらわ/横浜

横浜の弁護士が白昼殺害された事件は、ショックでしたね。
日頃からとても穏やかな感じのいい弁護士と周囲の人は言っていたそうです。
司法修習生時代の同期生は「まじめでおとなしい人だった」と。
弁護士はトラブルを解決する仕事なので、些細なもめごとはいろいろあったかもしれませんが、命を奪ってしまうやり方はひどいですね。




法律事務所で弁護士刺殺、トラブル後絶たず、同僚は怒りあらわ/横浜
(2010年6月3日 カナロコ)


 横浜市中区の法律事務所で白昼、弁護士の前野義広さんが殺害された事件。弁護士がトラブルに巻き込まれて襲われる事件は全国でも後を絶たない。オウム真理教信者に一家を殺害された坂本堤弁護士=当時(33)=が所属していた横浜弁護士会は一家殺害事件後、専門委員会を設け対策を取ってきた。再び仲間の命が奪われた凶事に、同弁護士会の水地啓子会長は「主義主張を暴力で実現しようとする手法は断じて許されない」と怒りをあらわにした。

 同弁護士会によると、前野さんは2007年に同会に登録。消費者問題や離婚調停などの家事事件に興味を持ち、消費者問題対策委員会に所属。司法修習生時代の同期生は「まじめでおとなしい人だった」とショックを隠せない。

 依頼者とのトラブルに対応する同弁護士会弁護士業務妨害対策委員会(竹森裕子委員長)によると、支援が必要なトラブルは年間2~3件あるが、嫌がらせに対し警告書を送付するなどして解決に努めている。だが、東京都内で証券会社の顧問弁護士だった岡村勲弁護士の妻が殺害されるなど、全国的には凶悪犯罪に発展するケースも少なくない。同弁護士会の弁護士は「家庭内暴力をめぐる案件で、加害男性が『殺してやる』と事務所に怒鳴り込んできたこともある」と明かす。

 同委員会によると、前野さんからはこれまで相談はなかった。竹森委員長は「県内では、弁護士がけがするような重篤な結果はなかっただけに衝撃は大きい」と声を落とした。

 前野さんが所属する法律事務所隣のビジネスホテルの女性従業員によると、女性事務員が「助けてください」とおびえた表情でロビーに駆け込み、フロントの電話で「刃物を持った男が入ってきた。すぐに来てほしい」と110番通報していたという。前野さんの事務所と同じビル内の女性弁護士(36)は「セキュリティーを強化したい」とおびえた。5階に事務所を構える男性弁護士は「(前野弁護士とは)昼すぎにエレベーターホールであいさつしたばかり。怖い」と顔を曇らせた。