2010年9月29日水曜日

映画「弁護士 布施辰治」を北上市で上映

「シンドラー」と呼ばれていたこの人。多くの独立運動家の弁護活動を無償で引き受けたり、弁護士としての使命の鑑と言われているみたいですね。治安維持法の下でも官憲の権力に屈することなく、虐げられた弱者の農民や労働者の人権擁護の活動を貫き、とくに在日朝鮮人の生命と人権を守る運動に献身した弁護士「布施辰治」が歩んだ道を描いたドキュメンタリー映画だそうです。一度見てみた方が良いかも。




映画「弁護士 布施辰治」を北上市で上映
(2010年09月29日 朝日新聞)

人権派弁護士として知られる布施辰治(1880~1953)の生涯を描いたドキュメンタリー映画「弁護士 布施辰治」が10月1日、北上市内のさくらホー ルで上映される。戦後の冤罪事件を手がけた北上市出身の弁護士後藤昌次郎さん(86)と、布施の遺族とのつながりから上映が実現した。

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 布施は宮城県石巻市出身。トルストイの影響を受けて人道主義を貫き、明治から戦後にかけて、社会運動や労働運動で弾圧された人々を弁護し た。朴烈・金子文子大逆事件では二人を弁護したほか、朝鮮独立運動で弾圧された人々の人権を守る運動をし、ナチスの迫害から多くのユダヤ人を救ったオス カー・シンドラーにならって「朝鮮版シンドラー」と評された。また、一戸町小繋(こつなぎ)で農民たちの入会権をめぐって起きた小繋事件では、その解決に 尽力した。

 映画は布施の生誕130年、日韓併合100年の今年に向けて企画された。池田博穂監督で、俳優の赤塚真人さんが布施役で主演、中村雅俊さんがナレーションを担当した。1時間38分。

 松川事件や八海事件などに取り組み、「冤罪弁護士」として知られる後藤昌次郎さんは今春、自伝を3冊の本にまとめ、日本評論社から出版し た。中心になってまとめたのが布施の孫で日本評論社元会長の大石進さん(75)。後藤さんのめいで、北上市内で喫茶店を経営している後藤昌代さん(52) が実行委員会をつくって上映の準備を進めた。

 昌代さんは「布施とおじは社会的弱者の人権を守る弁護士として共通点が多く、おじは布施を尊敬している。上映するなら北上で、と考えました」と話す。

2010年9月24日金曜日

日帰り温泉294カ所を紹介 松本の弁護士が本出版

弁護士さんの、ちょっと変わった話題です。
司法修習時代に、修習生仲間と行った露天風呂で温泉の魅力を知り、それ以降自身であちらこちら回るようになったそうです。
自身がすべて入浴した、長野県内294か所の温泉を紹介する本を出版したそうです。
この本、一般の書店でも扱っているとのこと。
一度読んでみたいですね。




日帰り温泉294カ所を紹介 松本の弁護士が本出版
(2010年9月17日 信濃毎日新聞)


 弁護士の安藤雅樹さん(32)=松本市蟻ケ崎1=が、県内294カ所の温泉を紹介する「信州日帰りでゆく温泉」を出版した。刑事・民事の裁判など仕事に追われる中、温泉巡りが「最高の気分転換」。自身がすべて入浴して集めた“証拠”に基づき、温泉の楽しさや奥深さを伝えている。

 温泉の魅力を知ったのは、司法修習の実務研修で長野市の弁護士事務所にいた2001年ごろ。修習生仲間と牟礼村(現飯綱町)の温泉で露天風呂の開放感を味わったのがきっかけだ。以後、外湯巡りなどができる野沢温泉村などを訪れ、徐々に引き込まれていった。

 本は、東信、北信、中信、南信の4地域ごとに、共同浴場や旅館など日帰り入浴ができる温泉を紹介。泉質や、水を加えているか-といった基礎データと講評を載せた。「体にまとわりつく泡付きのお湯が素晴らしく感動的」「源泉の注ぎ方を工夫しているのは、お湯を大事にしている証拠」…。記述から温泉が大好きなことが伝わってくる。

 お湯を飲み、においをかいで、湯触りを確かめることを欠かさないという。「新鮮なお湯で、地域に密着している温泉が一番好き」。仕事で県外に行き、「もう入れないかもしれない」と2泊3日で20カ所を一気に巡ったこともある。

 自身のウェブサイト「信州ノ温泉巡り」で情報を発信していたところ、出版の話が舞い込んだ。
 実家が安曇野市でユースホステルを経営していることもあり、「信州にもっと人が訪れて盛り上がってほしい」との思いが強い。信大大学院法曹法務研究科(法科大学院、松本市)で特任准教授を務め、忙しさは増しているが、「今後は温泉以外の信州の良さを発信していくことを考えたい」と話している。

 A5判、212ページ。1575円。しなのき書房発行。一般の書店で扱っている。

2010年9月21日火曜日

司法修習生給与 混乱を招く民主党の横やり

司法修習生に対する貸与制への移行について、民主党が待ったをかけたそうです。
が、しかし、2004年の貸与制導入が決まった時点で、野党であった民主党はそれに賛成していたんですね。
相変わらず、フラフラしてますなぁ…。
野党だった時と、与党の今と、何でそんなに違うんでしょ。
確かに、国民の税金を使って、司法修習生に一律に給与を支払ってもいいものか。
もっと議論がなされてもいいと思うのですが。
あと1ヶ月はあるんですから。




司法修習生給与 混乱を招く民主党の横やり
(2010年9月21日 読売新聞)


 司法修習生に支払われている給与を打ち切ることに、民主党の法務部門会議が、突如として「待った」をかけた。

 修習生や、給与の存続を訴えていた日本弁護士連合会にとっては朗報だろう。
 だが、一度は打ち切りに賛成した民主党の場当たり的な方針転換には疑問符が付く。

 司法試験に合格し、法律家になるために研修を積んでいる司法修習生には、国庫から毎月約20万円の給与が支払われてきた。

 修習生は公益性が高い法曹になることから、国が生活資金を含めて丸ごと支援し、養成するという理念の下、戦後一貫して続いてきた「給費制」という制度だ。

 だが、法曹人口の大幅増を掲げた司法制度改革の中で、2004年、これに代わって「貸与制」の導入が決まった。法曹の増加に伴い、過度の財政負担が避けられないとの理由からで、当時、野党だった民主党も賛成した。

 1年間の修習期間中に月18万~28万円を無利子で貸し、修習生は10年間で分割返済する。修習終了後、5年間は返済を猶予する。貸与とはいえ、かなり有利な内容の制度だ。

 その移行が11月に迫ったところで、突然、議員立法で阻止しようというのである。

 日弁連は、「修習生の半数が奨学金などの借金を抱えており、貸与制になれば、さらに借金が増える」「富裕層しか法曹になれない状況を招き、志望者が減る」と、給費制の維持を求めてきた。民主党がそれに応じた形だ。

 だが、根本的な議論抜きの強引な「存続」に、国費の負担者であり、かつ法的サービスの受益者である国民は納得するだろうか。

 裁判官、検察官はともかく、民間人である弁護士になる修習生にも国が一律に給与を支払う必要があるのか、という疑問の声が以前からあったのも事実だ。

 今の司法修習制度のあり方を含め、法曹養成全体の大局的見地に立った根本議論なしに、ただ給費制か、貸与制かという二者択一の議論に固執していては、混乱の真の解決には至らない。

 過疎地で業務に励んだ弁護士には、貸与金の返済を免除するといった折衷案も考えられよう。

 新司法試験の合格率は低迷し、法曹人口は計画通りに増えていない。財政事情は極めて厳しい。

 こうした様々な要因を踏まえつつ、良質な法曹養成と法的サービスの向上につなげる視線から議論を尽くすことが肝要だ。

2010年9月13日月曜日

菊間元アナウンサー、司法試験に合格!

元フジテレビアナウンサーの菊間千乃さんが司法試験に合格したそうです。
フジテレビにいる頃から法科大学院に通学。
一時は仕事と両立していたんですね。
今回2度目の挑戦で合格とのこと。
立派ですよね。
11月から司法修習を受けるそうです。
さて、今回の新司法試験の合格率は過去最低。
他記事では、「構想段階で7割程度と言われた合格率が現実は2割強。国にだまされたという感じが強い。新司法試験の可能性を信じ、一念発起して法科大学院に入ったのに今は不安でいっぱい」と話す法科大学院に通う女性の話が載ってました。
今後、新司法試験や法科大学院はどうなっていくんでしょう。




菊間元アナウンサー、司法試験に合格!
(2010年9月10日 サンケイスポーツ)


 弁護士をめざし、07年末にフジテレビを退社した元アナウンサー、菊間千乃さん(38)が司法試験に合格したことが9日、分かった。法務省は同日、法科大学院修了者を対象とした5回目の新司法試験の合格者を発表。過去最低となった合格率25・4%という超難関を突破した。

 祝宴の最中、サンケイスポーツの取材に応じた菊間さんは、「努力すれば、頑張れば、いいことがあるんだとわかりました」と声を弾ませ、「フジテレビの内定をもらったとき以上の感動があります」と笑わせた。

 09年に続き、2回目の挑戦。昨年の“不合格”発表の翌日から、午前6時に起床し、1日16~17時間勉強するという生活を今年5月の試験日前日まで続けてきた。

 菊間さんは、フジ在籍時から大宮法科大学院に通学。仕事と両立してきたが、ストレスと疲労から声が出なくなり「両立は難しい」と退社を決断した。

 この日夕、東京・霞が関の法務省の掲示板で受験番号を見届けた後、「合格するまで連絡しない、会わない」と心に決めてきたフジテレビの関係者に連絡。笠井信輔アナ(47)は電話口で泣いて祝福し、佐々木恭子アナ(37)も喜んだといい「皆さんが喜んでくれることがとてもありがたい」と感激した。

 「自分が辛い状態にあったとき、弁護士さんの『大丈夫だよ』という一言に救われた」と菊間さん。「根拠がないけれど、気持ちがとても楽になった。“資格”だけでなく、人を勇気づけ、励ますことができる弁護士になりたい」と真摯に語った。11月下旬から司法修習を受ける。

2010年9月7日火曜日

6管ヘリ事故、捜索した島民は 写真公開し思い語る

多度津町のヘリコプター墜落事故で、発生直後の現場の様子を島に住む2人が撮影していたそうです。
そのうちの一人は、約7年前に小型機が低空飛行するのを見たことがあり「当時から送電線に接触しないか心配していた」そうです。
また他新聞記事によると、「航空機用データ伝送装置」に記録されていた最低高度は22メートルだったとか。
司法修習生向けのデモンストレーションとはいえ、ものすごく低く飛んでいましたね。


6管ヘリ事故、捜索した島民は 写真公開し思い語る
(2010年9月7日 朝日新聞)


多度津町・佐柳(さなぎ)島沖で起きたヘリコプター墜落事故で、発生直後の現場の様子を島に住む2人が撮影していた。粉々になった機体の破片や捜索活動にあたる船舶などが写っている。2人も捜索に参加し、「『生きていて』と願いながらシャッターを押した」「何かの役に立ってほしいと思い撮影した」という。
 撮影したのは、佐柳島に住む松田英世さん(71)と松井鶴一さん(69)。


 松田さんは自宅でテレビを見ていたところ突然画面が消え、事故の発生を知った。すぐに友人の漁船に乗った。海面には広範囲にヘリの部品や粉々になった破片が散らばっていた。乗組員の生存を願いながら撮影した松田さんは「残酷な事故だった。なぜ起きたのか、なぜ5人の命が失われたのか、海保はきちんと解明してほしい」と話す。撮影した写真は「とても見ることができない……」。

 一方、松井さんも事故当時自宅におり、停電で事故を知った。すぐに友人の漁船で捜索に加わった。燃料タンクのようなものなどが海面に浮かんでいた。「油のにおいが鼻を突いた。みんな船上から海に向かって『おーい』『いないかー』と声をかけて捜していた」。約7年前に小型機が低空飛行するのを見たことがあり「当時から送電線に接触しないか心配していた」という。写真が事故究明などに役立ってほしいと願っている。(池田良)