2010年8月31日火曜日

司法修習 「給費制の維持を」

司法修習生への給与制の維持を訴えるシンポジウムが京都で開かれました。
群馬ではパレードが行われ、これにも日弁連会長の宇都宮弁護士が参加したようです。
宇都宮会長自身が開拓農家の出身で、もしその時貸与制だったら弁護士になっていたか分からないと…。
また、お金のない依頼者をボランティア同然で支援しようと思う人がいなくなるのでは、と訴える方もいたようです。
「秋の臨時国会で法改正を求める」と、ちょっと具体的な話が出てきたようですね。
それに向けてあと2ヶ月ちょっと、頑張ってほしいです。




司法修習 「給費制の維持を」
(2010年08月30日 朝日新聞)


京都弁護士会シンポ 貸与制に反対

 司法修習生の研修中に国が給与を支払う「給費制」が、11月から必要な人に貸す「貸与制」に変わることを受け、京都弁護士会は28日、給費制の維持を求めるシンポジウムを南区で開いた。日本弁護士連合会の宇都宮健児会長が講演し、「貸与制導入を阻止するため、国会議員への要請や全国での集会を通して秋の臨時国会での法改正を求める」と語った。

 宇都宮会長は、自身も四国から九州に渡った開拓農家の出身で、給与を得るため大学を中退して修習生になったエピソードを披露。「貸与制のもとでは、私自身弁護士になれたか分からない。経済的理由で法曹を志す人が減れば、社会的弱者の権利の守り手を奪うことになる」と述べた。

 シンポでは、中国残留孤児の国家賠償請求訴訟で京都の原告団長を務めた奥山イク子さん(77)が登壇。訴訟費用が用意できないなか、十数人の弁護士が代理人を引き受けたことを明かし、「弁護士に多額の借金があれば、お金のない依頼者をボランティア同然で支援しようと思う人はいなくなるのでは」と語った。

 修習生は法科大学院在学中に奨学金を利用しているケースが多く、貸与制導入でさらに修習期間中に約300万円の借金を背負うことになる。京都の五つの法科大学院生・修了生ら約170人は、給費制維持を求める団体「ビギナーズ・ネット」京都支部を結成した。シンポで、約1千万円の奨学金借り入れがあるという龍谷大法科大学院の修了生、吉山裕基さん(33)=伏見区=は、「多様な意志をもって法曹を目指す人が、あきらめざるを得ない状況にならないよう、みなさんに支えてもらいたい」と訴えた。

2010年8月25日水曜日

司法修習生 卒業試験12・6%不合格…過去最悪

ありゃりゃ、という感じですねぇ…。
司法修習生の卒業試験で、223人中28人が不合格になったそうです。
「ありゃりゃ」というのは、不合格者の割合が過去最悪だったということで。
不合格の28人中16人は、過去の試験で不合格になり再受験した人。
11月の試験再チャレンジで、この中から合格する人が出るといいのですが…。




司法修習生 卒業試験12・6%不合格…過去最悪
(2010年8月25日 読売新聞)


 最高裁は24日、法曹資格を得るための卒業試験を受験した司法修習生223人のうち、28人が不合格になったと発表した。不合格者の割合は約12・6%で、過去最悪だった2007年11月の約7・2%を大幅に上回った。不合格者は今年11月の試験に合格すれば、法曹資格を得られる。
 最高裁によると、223人のうち、過去の試験で不合格となって再受験した人が75人おり、このうち約21・3%に当たる16人が今回も不合格になった。
 司法修習は現在、旧司法試験に合格した「旧試験組」と、法科大学院(ロースクール)を修了した後に新司法試験に合格した「新試験組」に分かれて実施されている。今回の223人は「旧試験組」が中心という。

2010年8月19日木曜日

司法修習生の生活費 「給費制維持を」 /滋賀

ここのところ、ずっとこの話題でスミマセン…。
今回の記事が、給費制と貸与制について、とてもよく分かると思いまして。
記事に出てくる弁護士は、奨学金を利用。
今でも1万5千円ずつ返済しているそうです。
滋賀の弁護士数もすでに飽和状態で、新たに弁護士を受け入れは難しいようですね。




司法修習生の生活費 「給費制維持を」 /滋賀
(2010年8月17日 毎日新聞)



 ◇滋賀弁護士会、訴え 就職難、返済も困難に--11月から貸与制
 司法修習生に国が給与を支給する「給費制」が廃止され、11月から生活費などを貸し付ける「貸与制」が新たに導入される。制度変更を巡っては、「金持ちしか弁護士になれなくなる」と反対の声も根強い。滋賀弁護士会は先月末、約30人が街頭で署名活動を行い、給費制の維持を訴えた。【前本麻有】

 司法修習生は司法試験の合格者で、法律家(裁判官、検察官、弁護士)になる前に1年間、フルタイムで実務を学ぶよう義務付けられている。この間、アルバイトは禁止されている。このため、月額約20万円の給与が国から払われてきた。

 しかし、法曹人口の充実を目的に法科大学院を新設するなど、司法制度改革が進められた結果、司法修習生の数が激増。89年度に470人だった司法修習修了者数は03年度に1000人を超え、08年度は2340人に上った。財政事情から国は給費制の廃止を打ち出し、04年に「貸与制」を導入する裁判所法改正案が可決された。11月からは、基本月額23万円が貸し出される。

 貸与制に反対する滋賀弁護士会は先月30日、JR大津駅前で給費制維持を訴え、署名活動を行った。署名した近江八幡市安土町、土地家屋調査士、浅野貴之さん(38)は「貸与制だと、裕福な学生だけが弁護士を志し、一念発起して司法試験に挑む社会人もいなくなるのでは。あらゆる立場の人と向き合う弁護士だからこそ、門戸は広くした方がいい」と話した。

 滋賀弁護士会の堀田直美弁護士(28)は「貸与制だったら、弁護士になっていなかったかもしれない」と打ち明ける。神戸大法科大学院で学んだ2年間の学費は計約200万円。一人暮らしの生活費もかかるため、奨学金を利用した。今でも毎月1万5000円ずつ返済している。周囲には大学入学時から奨学金を利用し、司法修習生になるまでに数百万円の借金を負う仲間も多いという。

 堀田弁護士は草津市出身。「神戸や大阪の方が弁護士事務所が多い」と阪神間で約半年間就職活動をしたが、採用枠が見つからなかった。日本弁護士連合会が今年6~7月に実施したアンケート調査によると、弁護士を希望する司法修習生1235人のうち、532人(約43%)の就職先が内定していない。折からの就職難が弁護士を志す修習生に追い打ちをかけている。

 滋賀弁護士会によると、5年ほど前は東京都内で開かれる合同就職説明会にブースを出すほどだったが、県内の弁護士事務所は現在飽和状態で、新たな弁護士の受け入れは困難だという。同会の田口勝之会長は「一般的に『弁護士になれば借金の返済は容易』というイメージがあるかもしれないが、弁護活動ができなければ話にならない」と話す。

 同会は「医者が命を守るように、弁護士はみなさんの権利を守る。給費制の必要性を理解してほしい」と、引き続き署名活動などを行う方針だ。

2010年8月12日木曜日

司法修習生、給費制の存続訴え 和歌山弁護士会が市民集会

修習生の給与制維持を訴える活動、各地で行われていたり、新聞などで特集として取り上げられる割には、いまだに変化なしという感じですね…。
もう、あと3カ月を切っているというのに。
6日には山梨弁護士会が給費制の存続を求める集会をおこなっています。




司法修習生、給費制の存続訴え 和歌山弁護士会が市民集会
(2010.8.11 MSN産経ニュース)



 司法修習生が修習中に国が生活資金などを貸与する制度の11月開始が決まるなか、現行の給与支給制度の存続を求める市民集会「司法修習生に対する給費制存続を!」(和歌山弁護士会主催)が和歌山ビッグ愛(和歌山市手平)で開かれ、学生や市民ら約140人が参加した。
 司法修習期間はこれまで毎月約20万円と年2回の賞与が支給されてきたが、裁判所法改正に伴い11月1日から貸与制に切り替わるため、全国の弁護士会が市民集会などで給費制存続を訴えている。
 この日の討論で、法律家をめざす多くの学生が奨学金に頼らざるを得ない現状が報告されると、和歌山弁護士会の冨山信彦会長は「貸与制になれば、さらに経済的に苦しむ修習生が増える。法律家の志願者減に拍車をかけることにもなる」と指摘。大阪弁護士会の高橋司副会長も「法律家は人々の“権利の守り手”。国全体で育てるべきということを多くの人に訴えたい」などと訴えた。

2010年8月3日火曜日

司法修習生:給費制存続、寸劇などで訴え 中央区で集会 /福岡

今回福岡では、寸劇を通して、司法修習生の給費制の維持を訴えたということです。
福岡県弁護士会の調査によると、法科大学院生・司法修習生の借金平均額は400万円以上。
なんと最高額は1100万円だったそうです。
7月29日には和歌山県、30日には茨城県・滋賀県でも給費制の存続を訴える活動を行ったようです。




司法修習生:給費制存続、寸劇などで訴え 中央区で集会 /福岡
(2010年8月1日 毎日新聞)


 司法修習生に国が給与を支払う給費制の存続を求める市民集会が31日、中央区赤坂の中央市民センターであり、約500人が参加した。現在の給費制は11月から生活費の貸与制に変わる。集会では寸劇などを通して「若い法律家が借金返済に追われれば、結果的に市民の権利を守る活動がおろそかになる」などと見直しを求める訴えが相次いだ。
 司法修習生は司法試験合格後1年間の修習中、アルバイトなどが禁止されている。県弁護士会が6~7月に県内の法科大学院生や司法修習生らを対象に行った調査によると、奨学金など借金を抱える人が78人中56人(78%)。借金は平均436万円、最高1100万円に達したという。
 同会の市丸信敏会長は「貸与制になれば借金がさらに膨らむ。金持ちしか法律家を目指せない社会でいいのだろうか」と訴えた。【阿部周一】