2008年4月2日水曜日

都会の弁護士、狭き門 修習生、わずかなイスに殺到

この程度の増員で就職難になるなんて。
事務所によっては弁護士業務って死ぬほど忙しいって聞くぞ。
それにデーブスペクターがいってたけど、今の日本は、弁護士のやる仕事が少なすぎるらしい。
アメリカだと商談やTVショーのコメントとかでも弁護士が入るってさ。




都会の弁護士、狭き門 修習生、わずかなイスに殺到
(2008年04月02日 朝日新聞)


3月初旬に首都圏で開かれた弁護士会主催の就職説明会では、わずかな募集に対し、修習生が殺到。首都圏だけでなく、地方からも希望者が駆けつけるなど、競争は激化するばかりだ。
 「せっかくたくさんの方に来て頂いたのに、出店する事務所が少なくて申し訳ないと思います」。3月に、さいたま市内で開かれた埼玉弁護士会主催の就職説明会。集まった約100人の司法修習生に、主催者側が謝罪した。参加を予定していた15の事務所のうち、六つの事務所がキャンセル。結局、採用予定者数は合計12人前後にとどまったからだ。
 弁護士会によると、採用予定がなかったり、修習生の就職活動の早期化で採用を終えてしまったりした事務所が少なくない。ある幹部は「どこの事務所に行っても修習生が歓迎される時代は終わった。法曹人口の増員で、今は完全に買い手市場だ」という。
 こうした状況に、修習生側の危機感は強い。北信越地方から来た男性(28)は「周りにはもう決まった人もいて焦る。もう、どこでもいいから入りたい」。神奈川県から来た女性(27)は、複数の事務所にメールや履歴書を送っているが、反応がなかったり、そのまま送り返されたりしている。「想像以上に厳しいです」
 ただでさえ厳しい競争に、首都圏志向が拍車をかける。東北などの地方で弁護士が不足するなか、今回は秋田や広島など首都圏以外からの参加者は全体の2、3割にのぼった。九州地方から来た男性(29)は「大きな事案を扱いたい」といい、別の男性(26)も「都市部と地方では情報量が違う。首都圏の方が専門性を高められる」と訴える。
 やはり3月に横浜市であった横浜弁護士会の就職説明会でも、事前に参加の意向を示した事務所は2カ所だけだったが、244人が申し込んだ。同会の伊藤信吾弁護士は「神奈川はもう飽和状態。事務所と何らかのルートがない修習生の就職は難しいのではないか」と話す。
 日本弁護士連合会(日弁連)も、修習生の選択肢を広げようと懸命だが、司法試験合格者が増えた影響で、競争率が高くなるとともに、新人弁護士の年収は低下。弁護士事務所を対象に07年度に実施したアンケートでは、固定給のない「出来高制」の新人弁護士も7.85%にのぼった。新米弁護士が独立するまで先輩の事務所に居候する「イソ弁」に代わり、固定給もなく机(軒先)だけを借りる独立採算型の弁護士は「ノキ弁」とも呼ばれている。
 東京に三つある弁護士会が今月19、20の両日に合同で開く就職説明会には、38の法律事務所と22の企業が参加する予定だが、求人数をはるかに上回る司法修習生が足を運ぶと予想されている。
 日弁連は「07年度は就職対策に力を入れた結果、例年並みに就職できたが、採用計画を前倒しにした事務所も多く、08年度はさらに厳しくなる」とみている。(津阪直樹)