2010年1月1日金曜日

布川事件:再審決定 「袴田事件にも光」 慎重な見方も /静岡

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布川事件:再審決定 「袴田事件にも光」 慎重な見方も /静岡
(2009年12月16日 毎日新聞)


 茨城県利根町布川で1967年、大工の男性が殺害され現金が奪われた「布川事件」。強盗殺人などの罪で無期懲役刑が確定して服役し、仮釈放されて第2次再審請求をしていた桜井昌司さん(62)と杉山卓男さん(63)の2人に最高裁が14日付で再審を決定した。同じように第2次再審請求をしている袴田事件の関係者には「大きな光がさした」との声と「楽観はできない」との慎重な見方が上がった。

 袴田死刑囚の姉秀子さんは「布川事件の再審決定に励まされた。私たちの裁判にも良い影響が出るよう期待している」と語った。 袴田事件の弁護団の小川秀世弁護士は「両氏の自白は、最高裁が真犯人の自白と認定し、供述が変遷する実例として司法修習生のテキストにも出てくる。今回最高裁がその自白の信用性に疑問があると指摘したのだから画期的だ」と話した。

 また証拠採用について「布川事件では証拠開示請求で出てきた証拠で再審に結びついた。我々も静岡地裁、静岡地検との3者協議で、検察に証拠開示を求めている。地検の検察官は今回の結果を深刻に受け止め、証拠開示に応じるべきだ」と訴えた。

 支援団体「袴田巌さんを救援する清水・静岡市民の会」の山崎俊樹事務局長は「自白偏重で立件された類似点がある布川事件で再審が決定したことは大きい」としながらも「楽観はしていない」と語った。山崎事務局長は「袴田さんを犯人とするには無理があると訴えてきたが、裁判官には受け入れてもらえなかった。今回の布川事件の再審がどう影響するかは分からないが、証拠採用の幅を広げるきっかけになってほしい」と話した。【山田毅】