2010年7月13日火曜日

なるほドリ:「司法修習生」ってどんな人? /奈良

ここで改めて「司法修習生」ってどんな人?というのを見てみましょう。
アルバイト禁止。
卒業試験に合格するまでは気が抜けない。
弁護士になるには就職難。
給与制でなくなるかも。
弁護士の仕事量は増えていない。
裁判官、検察官の数は大きく増えていない。
大変なことばかり並べてしまいましたが…法律家になるには、かなりの覚悟と意志の強さが必要そうですね。




なるほドリ:「司法修習生」ってどんな人? /奈良
(2010年7月7日 毎日新聞)


 <NEWS NAVIGATOR>

 ◆「司法修習生」ってどんな人?

 ◇裁判官・検察官・弁護士の卵 司法試験合格後、1年間実務学ぶ

 なるほドリ この前、司法修習生が奈良市の近鉄奈良駅前で署名活動をしたという記事を読んだよ。司法修習生ってどんな人たちなのかな。

 記者 法科大学院などを卒業して、司法試験に合格した後、裁判官、検察官、弁護士になるために1年間、実務を勉強している「法律家の卵」です。奈良地裁にも配属されています。地裁の法廷で法律書を手に、熱心にメモを取っている姿をよく見かけます。

 Q どんな勉強をしているのかな?

 A 刑事・民事裁判を傍聴することはもちろん、弁護士と一緒に訴状を出したり、検察官の捜査を学んだりします。修習に専念する義務があって、アルバイトは禁止されています。卒業試験もあって、09年12月の最高裁の発表では、受験した2067人の司法修習生のうち75人(3・6%)が不合格になっています。最後まで気が抜けないのです。

 Q 修習生はその後どうなるの?

 A 裁判官や検察官として採用される人もいますが、多くは弁護士になります。新司法試験の合格者数が2000人を超えるようになり、弁護士の就職難が大きな問題となっています。法律事務所に入って「イソ弁」(居候弁護士)になることがほとんどでしたが、最近では修習が終わってすぐに独立して開業する「即独」弁護士もいます。

 Q 司法修習生に給与が出なくなるという記事を見たよ。

 A 国は11月から、月額20万円程度の給与を出すのをやめて、生活に必要なお金を貸す仕組みに変えます。奈良弁護士会の弁護士たちも「金持ちしか法律家になれなくなる」と批判しています。

 Q でも、弁護士になったらもうかるから簡単に返せるよね。

 A そうでもなさそうです。急に弁護士の数が増えた一方、仕事の量はそれほど増えてはいないとされます。奈良弁護士会も7月から、スーパーなどに出張して無料相談会を開く計画を進めるなど、仕事を増やす取り組みを始めています。それに裁判官や検察官の数は大きく増えてはいません。給与は税金なので、国民の理解が得られるかどうかという問題もあります。法律家たちも法律のサービスを充実させたり、人権を守るためには、コストもかかることを、国民に説明する必要がありそうです。

<回答・高瀬浩平(奈良支局)>