2009年12月15日火曜日

あん人こん人:弁護士・宇都宮妙さん /大分

DV事件を扱う弁護士として、女性弁護士がいることは被害者の女性たちにとっても心強いでしょうね。
加害者から怒鳴られたり、追いかけ回されたこともあるとのこと。
きっと想像以上に大変でしょう。
でも、DVの被害に遭っている女性のため、これからも頑張ってほしいですね。




あん人こん人:弁護士・宇都宮妙さん /大分
(2009年12月2日 毎日新聞)


 ◇DV被害者の心に寄り添い 相談、裁判に奔走--宇都宮妙さん(29)
 ドメスティックバイオレンス(DV)被害者の心に寄り添い、関係機関との連絡や、離婚調停・裁判などに奔走する。県内でDV事件を扱う弁護士は足りないのが現状だ。
 被害者には、DVの影響でPTSD(心的外傷後ストレス障害)やパニック障害を抱えた人も多い。おびえる被害者に「私が身代わりになるから大丈夫。あなたは何も悪くない」と言葉をかける。加害者から怒鳴られたり、追いかけ回されたこともあるが「目の前の苦しんでいる人を助けなければという一心」との使命感が支えだ。
 DV事件を多く扱う弁護士事務所で司法修習を行ったことで、DVの悲惨な現状に目を向けた。
 DV事件は対応が難しいことが、取り組む弁護士の少なさにつながっているという。警察などと連携しながら、24時間態勢でシェルターの確保などに対応しなければならない。
 多くの加害者が「約束より遅く自宅に帰ってきたから」などと被害者側に原因があると主張する。また「口げんかのもつれ」と自分が暴力を振るったことさえ認めない。
 弁護士となって丸1年。数十件の相談や裁判を担当してきた。「まだまだ社会のDVへの理解が進んでいない」と感じる一方、関係機関の緊密な連携が必要だと痛感する。
 「女性が安心して暮らせる社会を実現したい」。柔らかな印象の奥にある芯の強さをかいま見た。【高芝菜穂子】