2008年6月29日日曜日

裁判員制度の問題も暗示? 司法修習生のブログ書き込み

ブログなら誰かがそれを目にした時に、どう思うかという想像力を働かせてほしい。
司法解剖の様子を詳細に書いたり、取調べの様子を面白がって書いて、その後どのようになるか。
守秘義務に違反するというより、常識的なことを守ってほしい。




裁判員制度の問題も暗示? 司法修習生のブログ書き込み
(2008年6月29日 長崎新聞)


長崎市の法律事務所で実務修習をしている二十代の男性司法修習生が、インターネット のブログ(日記)に、取り調べなどの内容を書き込んでいたことが発覚した。司法解剖の 生々しい描写や人の前科数を明らかにする書き込みもあり、ほかの司法修習生や識者から は「度を超えている」と問題視する声が相次ぐ。長崎地裁は、裁判所法に基づく規則の守秘義務違反の可能性もあるとみて調査しているが「聞いたことがないケース」と戸惑いも みせている。司法修習生は昨年十一月、長崎で実務修習を始めた。問題となったのは「司法修習生のなんとなく日記」と題したブログ。三月二十日付では、司法解剖の様子を「切り刻んで内臓とかを全部出して全部調べると臭いはきつい」と記載。四月九日付には「すごい人がいました。前科43犯。しょぼい犯罪ばかり繰り返してるということ」と書き、「ぜひ45目指してほしい」と記していた。このほか、取り調べ内容について「おばあちゃん泣きまくり」と明かしたり、長崎市長射殺事件の判決公判の傍聴に絡み「ジャンケンに負けて修習生席に座れませんでした」と 書いていた。ブログを見た別の司法修習生は「許されることなのか」と疑問視。問題が表面化した後は、自身も上司に注意され、守秘義務に神経質になったという。「修習生への指導や視線は厳しくなるだろう」と漏らす。元長崎地検次席検事で、桐蔭横浜大法科大学院の郷原信郎教授は「容疑者の実名や捜査 の具体的中身までは書き込んでいないので、守秘義務違反には当たらないだろう」とみる。 だが「見習いの立場で事件にかかわる修習生が、取り調べ内容などを表に出すのは倫理上 の問題がある」と指摘。市民に守秘義務を課す裁判員制度にも触れ「制度の問題も暗示しているようだ。裁判員が知り得た情報をネットの掲示板に書き込む可能性がないとは言え ない」としている。地裁によると、修習生が守秘義務に違反したり、違反に当たらなくても品位を辱める行 状があった場合、最高裁が罷免するか、実務修習を委託された地裁や地検、弁護士会が注意処分をする可能性があるという。しかし、地裁は「まだはっきり分からず、公表するかどうかも未定」としている。